水道料金の計算方法
水道料金は通常、各家庭に設置されている水道メータを2ヶ月に1回検針し、使用水量に基づいて以下の計算式で算出され、検針の翌月に請求されます。
水道料金 = (基本料金 + 従量料金) × 1.08
基本料金
基本料金は使用水量の有無に関わらず水道メータの口径に応じて、支払う料金です。一定水量まではこの料金で使用でき、超過分が従量料金として請求されます。東京23区では口径25mm以下の場合、月5㎥までは基本料金に含まれています。携帯電話の基本プランに含まれる無料通話分のようなイメージですね。
一般家庭では13mm〜25mmになっていることが多く、どの契約になっているかは検針票を見れば確認することができます。ちなみに口径が細いほど管を流れる水量が少なくなるため、お風呂の湯張りと洗濯、食器洗いなどを同時に行なったりすると水圧不足になることが考えられます。複数の蛇口を同時に開くことが多いなら、口径を太くすることで安定した水圧を確保できることになります。
呼び径(メータ口径) | 13mm | 20mm | 25mm | 30mm |
基本料金 | 860円 | 1,170円 | 1,460円 | 3,435円 |
従量料金
従量料金は使用水量に応じて支払う料金です。毎回の水道料金が増えたり減ったりするのは、従量料金の増減(= 使用水量の増減)によるものです。水道料金は「生活に必要な水を安価に供給」することを目的に設定されているため、水をたくさん使うほど料金単価が高くなる仕組みになっています。
使用量/単価 | 1~5㎥ | 6~10㎥ | 11~20㎥ | 21~30㎥ | 31~50㎥ | 51~100㎥ | 101~200㎥ | 201~1000㎥ | 1000㎥~ |
13~25mm | 0円/㎥ | 22円/㎥ | 128円/㎥ | 163円/㎥ | 202円/㎥ | 213円/㎥ | 298円/㎥ | 372円/㎥ | 404円/㎥ |
30mm | 213円/㎥ | 298円/㎥ | 372円/㎥ | 404円/㎥ |
10㎥までと11㎥からでは、1㎥あたりの単価に6倍近い差があります。
【1ヶ月の使用量が「15㎥」の場合】
- 基本料金 1,170円(呼び径20mm)
- 1~5㎥ 0円 × 5㎥ = 0円
- 6~10㎥ 22円 × 5㎥ = 110円
- 11~15㎥ 128円 × 5㎥ = 640円
{1,170円 +(0 + 110 + 640)円 }× 1.08 = 2,073円
下水道料金の計算方法
下水道料金は一定水量までの基本料金と、使用水量に基づいて以下の計算式で算出され、水道料金と合わせて請求されます。使用水量は、上水道の使用量をそのまま汚水排出量とみなして算定しています。
下水道料金 = 料金表に基づき算定した金額 × 1.08
料金表
0~8㎥ | 9~20㎥ | 21~30㎥ | 31~50㎥ | 51~100㎥ | 101~200㎥ | 201~500㎥ | 501~1000㎥ | 1001㎥~ |
560円 | 110円/㎥ | 140円/㎥ | 170円/㎥ | 200円/㎥ | 230円/㎥ | 270円/㎥ | 310円/㎥ | 345円/㎥ |
【1ヶ月の使用量が「15㎥」の場合】
- 0~8㎥ 560円
- 9~15㎥ 110円 × 7㎥ = 770円
{560円 + 770円}× 1.08 = 1,436円
上下水道料金は、水を一滴も使わなかった月でも1,868円(呼び径20mm)が請求されます。2ヶ月分で3,736円。思い返せば独身時代、私は毎回3,633円が請求されていたので、月の使用量が5㎥以下だったんですね。
水道使用量の目安
よその家庭では1ヶ月でどれくらい水を使っているのでしょう?
世帯人員 | 使用水量 |
1人 | 8.2㎥ |
2人 | 15.9㎥ |
3人 | 20.4㎥ |
4人 | 24.3㎥ |
5人 | 28.5㎥ |
6人以上 | 33.9㎥ |
(東京都水道局「世帯人員別の1か月あたりの平均使用水量」)
- 一般的なお風呂が1回200ℓなので、30日で6,000ℓ(=6㎥)。
- ドラム式洗濯機が1回78ℓ(Panasonic「NA-VX9700」)として、2日に1回で月1,170ℓ。
- ドラム式洗濯機の乾燥が1回55ℓ(Panasonic「NA-VX9700」)として、2日に1回で月825ℓ
水道の用途
よその家庭では水道を何に使っているのでしょう?
風呂 | 40% |
トイレ | 21% |
炊事 | 18% |
洗濯 | 15% |
洗面・その他 | 6% |
(東京都水道局「平成27年度 一般家庭水使用目的別実態調査」)
お風呂の使用量が4割と圧倒的に多いですね。10年前の調査(平成18年度 一般家庭水使用目的別実態調査)ではトイレ(28%)・お風呂(24%)・炊事(23%)・洗濯(16%)だったので、トイレはずいぶんと節水仕様に進化したことがわかります。10年前には大6ℓ、小5ℓが当たり前だった洗浄水量が、業界最少のTOTO「ネオレスト」シリーズでは大3.8ℓ、小3.3ℓにまで減っています。
また、浴槽サイズも戸建住宅では1坪サイズが中心に、マンションでも1990年代は1200mmサイズが主流だったのが1400mm・1600mmサイズに大型化したことも影響しているようです。