本格の喫茶店でメニューを眺めていると「好みをおっしゃっていただければ…」などと、スターバックスの呪文とは違った緊張におそわれることがある。そんなときに焦らないためにも「コーヒーの嗜好」についての基礎知識くらいは備えておきたいと思い、調べてみた。もちろん自宅でコーヒーを淹れるときにも役立つこと請け合いである。
コーヒーの好みを表現するときに使う「苦味」と「酸味」。これは「豆の産地」と「焙煎方法」で決まることが多いという。
豆の煎り方
「焙煎」とは生豆を煎ってローストする工程のことで、大きく分けて「深煎り」「中煎り」「浅煎り」の3段階があり、深いほど苦味が、浅いほど酸味が強くなる。焙煎によって味の8割が決まると言われることも。
浅煎り(薄茶) | ライトロースト |
アメリカンロースト | |
中煎り(茶色) | ミディアムロースト |
ハイロースト | |
ジャーマンロースト | |
深煎り(黒色) | フレンチロースト |
イタリアンロースト |
豆の産地
コーヒー豆の栽培は「コーヒーベルト」とも呼ばれる北緯25度から南緯25度の間で盛ん。
コナ、キリマンジャロ、モカ など | 酸味が強い |
ブルーマウンテン、コロンビア、ブラジル など | バランスが良い |
トラジャ、ジャワコーヒー など | 苦味が強い |
酸味と苦味に加えて、「甘味」「香味」「コク」などの特徴から好みのコーヒーを探す。
豆の挽き方
豆の挽き方は5段階に分けられる。抽出方法によって豆と水との触れ方や時間が異なるため、それぞれに適した豆の挽き方、粉の細かさがある。
極細挽き | エスプレッソマシンやトルココーヒー |
細挽き | ウォータードリップ(水出し) |
中細挽き | ペーパードリップやコーヒーメーカー |
中挽き | サイフォンやネルドリップ(布出し) |
粗挽き | パーコレーター |
コーヒーと水
コーヒーの味や香りを引き出すのに重要なのが「水」。鮮度はもちろん、ヨーロッパ産のミネラルウォーター(硬水)で淹れるのと、日本の水道水やミネラルウォーター(軟水)で淹れるのとでも味わいに違いが出てくるという。
硬水 | 軟水 | |
ミネラル(Mg)の量 | 多く含まれる | ほとんど含まれない |
味への影響 | 苦味が強くなる | マイルドな味わい |
コーヒーの淹れ方
ホットコーヒー
- コーヒーの粉は1杯あたり10gが目安で、お湯の温度は90度。
- 粉全体にお湯が行きわたるように注ぎ、20秒ほど蒸らす。
- 粉が膨らんだら、円を描くようにゆっくりとお湯を注ぐ。
アイスコーヒー
- コーヒーの粉はホットコーヒーより深煎りで1杯あたり15gが目安。
- ホットコーヒーと同じようにお湯を注ぐ。
- ゆっくり冷ますと「味」「香り」が抜けてしまうので、氷の入ったグラスに一気に注いで冷ます。
氷で味が薄まらないように、コーヒー氷を使っているお店もある。